
天:当農園のびわ山は海に近く、南無谷湾から1キロほどのところにあります。春になると、内房の海から程よい南西の風が吹いてきて、びわの木にミネラルをもたらしてくれて、柔らかくて美味しいびわができるのです。
地:3代目は、びわ栽培に非凡な熱意を抱く男で、びわ作りに向いている急斜面の岩山を求め、更に石屋さんと数年かけて山の岩を削り、石垣を積み、段々畑を作り、日当たりのよい南西からの潮風を受ける宝のびわ山を作り上げました。
岩山は土が浅く、水切りが良い上に、精一杯土に根を下ろそうとするびわの木が濃い風味の果実を育んでくれます。
人:今の5代目千寿は写真の通りおっとりの人間で、びわが完熟になるのを待っている間に、落ちてもあまり心配しない良い意味での無欲主です。本人が曰く、びわ作りを覚える時に、すでに谷柴農園の直売店があったので、売店用の完熟びわをもぎ取る感覚が身に染み付いていたのでしょう。谷柴農園は、直売店にわざわざお越しくださる常連客の皆様に一つ上の美味しいびわを届けたいために、手入れしやすい品種より味の濃い品種へのシフトをしており、また千寿もできる限り、自分の目と手で収穫できる範囲の仕事にしたいと考えています。びわの新鮮さが命であり、収穫してきたびわを1日も早く送り出すよう、妻のえいこがお手伝いさん達と共に和気藹々と頑張って千寿をサポートしています。
この天・地・人は谷柴農園のびわの美味しさの源かと思われます。